コラム - FAQ
コイルの「レヤーショート」とはどういう現象ですか?症状と修理・予防策について教えてください。
レヤーショート(層間短絡・レアショート)とは、モーターの固定子コイルにおいて、同じ相(相同士ではなく同一コイル内)のエナメル銅線どうしの絶縁被膜が局所的に破れ、短絡(ショート)してしまう現象です。主な原因は、繰り返しの起動による電磁力微振動での電線擦れ、過熱による絶縁ワニスの熱劣化、インバーター駆動によるサージ電圧(尖鋭ノイズ)の影響、湿気や粉塵の侵入です。レヤーショートが発生すると、ショートしたループに強力な渦電流が流れて急激に局所発熱し、焦げ臭い煙や異音を発生させます。また、三相の電流不平衡が発生し、過電流によってブレーカーやサーマルリレーがトリップします。放置すると熱が瞬時に周囲へ広がり、相間短絡やフレームへの地絡を引き起こしてコイル全体が完全に焼損します。レヤーショートを起こしたコイルは洗浄や部分修正での復旧が不可能であり、修理にはステーターコイルの「全面巻き直し(巻替え)」または「新品更新」が必要となります。予防策として、定期的な電流不平衡率チェックや微小抵抗測定を実施し、インバーター使用時は絶縁強化モーターの採用やサージ抑制フィルターの設置が非常に効果的です。