コラム - FAQ
モーターコイルの「レアショート」が原因で過電流保護やブレーカーが跳ぶメカニズムと対応は?
モーターコイルの「レアショート(層間短絡・レヤーショート)」とは、固定子巻線において、同じ相(同相内)の隣り合うエナメル銅線どうしの絶縁被膜が破れて内部でショートしてしまう不具合です。レアショートが発生すると過電流保護回路やブレーカーが跳ぶ(トリップする)メカニズムは、オームの法則および電磁誘導によるものです。コイルの一部がショートすると、その相のインダクタンス(電磁抵抗)と回路抵抗が局所的に著しく低下します。その結果、ショートしたごく一部のコイルループに通常の定格を遥かに超える巨大な「渦電流(ショート電流)」が流れるとともに、三相(U・V・W)間の電流バランスが極端に崩れる「電流不平衡」が発生します。この異常な電流急増(過電流)や電流不平衡を制御盤のサーマルリレーやインバーターの過電流保護機能(OCトリップ)、漏電遮断器が検知し、回路を保護するために瞬時に電源を遮断してブレーカーが跳びます。レアショートを起こしたコイルは、微小抵抗測定やサージ試験で判定でき、部分補修は不可能なため、ステーターコイル全体の「全面巻き直し(巻替え)」または「新品モーターへの更新」が必要となります。