コラム - FAQ
モーターの「絶縁抵抗」とは何ですか?判定基準と測定時の目安を教えてください。
モーターの「絶縁抵抗」とは、固定子コイル(ステーター巻線)に流れる電流が、外部のモーターフレーム(大地・アース)や異なる相へ漏れ出さないように遮断されている電気的抵抗値の大きさを示す指標です。絶縁抵抗値が高ければ高いほど漏電のリスクが無く安全な状態であることを意味します。判定基準として、電気設備技術基準の規定では低圧モーター(200V/400V級)で0.2MΩ以上とされていますが、保全管理・予防保全の実務においては「1MΩ以上」を正常・継続運転の判断基準とします。測定は専用の「絶縁抵抗計(メガー)」を用いて、アース端子と各相端子(U・V・W)間の対地絶縁抵抗を測定します。新品時やオーバーホール直後は100MΩ以上の非常に高い値を示しますが、湿気、結露、油分、導電性粉塵の侵入、過熱によるワニス塗膜の熱劣化に伴い数値が低下します。測定値が1MΩ未満(特に0.2MΩ以下)に低下した場合は「絶縁不良(漏電状態)」と判断し、放置するとブレーカートリップやコイル全焼事故に繋がるため、直ちに運転を停止して分解洗浄・加熱乾燥・ワニス処理などの修理を実施します。