コラム - FAQ
モーターのコイル焼け(焼損・焼き付き)が発生する原因と、現場での判定方法・修理手順を教えてください。
モーターの「コイル焼け(焼損)」とは、固定子巻線(ステーターコイル)の絶縁被膜が異常熱によって溶融・焦げ付き、絶縁破壊を起こす重篤な電気的障害です。主な発生原因としては、①過負荷(オーバーロード)状態での連続運転、②三相のうち一相が断線して二相で給電される「単相運転(欠相)」、③機械的ロック(ロードロック・固着)による拘束電流の通電、④過電圧・低電圧での稼働、⑤湿気・油分侵入による相間・層間ショートが挙げられます。現場での判定方法としては、電源遮断後に端子箱や外周から焦げ臭い異臭がしないか目視・異臭チェックを行い、絶縁抵抗計(メガー)にて対地絶縁抵抗を測定します。測定値が0MΩに近い場合や、テスターでの相間抵抗値に著しい不平衡(アンバランス)がある場合はコイル焼けと判断されます。修理手順としては、焼損コイルを完全に撤去し、ステーター鉄心を清掃・修正した上で、新品のエナメル銅線で元仕様通りにゼロから巻き直す「コイル巻替え修理」、および絶縁ワニスの真空含浸・焼付処理を行い、ベアリングを新調して完全復元させます。