コラム - FAQ
「かご形回転子とは」どのような構造を持つ部品ですか?メリットや不具合時の影響も教えてください。
かご形回転子(かご形ローター)とは、かご形三相誘導電動機の中核となる回転部品であり、その形状がネズミの回し車や鳥かごに似ていることから名付けられました。構造としては、電磁鋼板を重ね合わせたローター鉄心の溝(スロット)にアルミニウムや銅の導体棒(ローターバー)を配し、その両端を「短絡環(エンドリング)」と呼ばれる金属リングで完全に接続・ショートさせた一体型構造をしています。固定子コイルが作る回転磁界から電磁誘導によって電流を受け取り、フレミングの左手の法則により強力な回転力を生み出します。最大のメリットは、カーボンブラシやスリップリングなどの電気的接触部品(摺動部品)が存在しないため、非常に強固で壊れにくく、メンテナンスがほぼ不要(ベアリング交換のみ)で製造コストも安い点です。しかし、過酷な過負荷運転や頻繁な正逆転・突入電流の熱ストレスにより、稀に導体棒のクラック(亀裂)や短絡環の溶接剥がれが生じることがあります。かご形回転子が破損すると、回転数の著しい低下、トルク不足、三相電流の不平衡、異常振動や「ウー」という唸り音が発生するため、精密診断の上でローター補修や動バランス校正、または新品交換を行います。