コラム - FAQ
モーター内部で発生する「短絡(ショート)」の種類と原因、未然に防ぐための点検手法を教えてください。
モーター内部の「短絡(ショート)」は、絶縁被膜や絶縁紙が非導電性を失い、電気回路が異常に接続されてしまう重篤な故障です。短絡には大きく分けて3種類あります。①コイルとフレーム(アース)間が短絡する「地絡(漏電)」、②U相・V相・W相の異なる相同士が接触する「相間短絡」、③同じ相の電線同士が短絡する「層間短絡(レアショート)」です。主な原因としては、過負荷運転や拘束(ロードロック)による過熱でワニス被膜が熱劣化・焼損すること、結露や浸水・湿気の侵入、始動衝撃に伴うコイルの微振動による線摩擦、および導電性粉塵(カーボンダストや金属粉)の蓄積が挙げられます。短絡が発生すると過電流が流れてブレーカーがトリップし、放置すると火花放電(アーク)によりコイル全焼や火災事故を引き起こします。短絡を未然に防ぐ点検手法としては、絶縁抵抗計(メガー)による対地絶縁の定期測定、微小抵抗計での相間抵抗バランスチェック、サージインダクタンス試験、および定期的な分解洗浄・乾燥・ワニス含浸処理による予防保全が極めて有効です。