コラム - FAQ
誘導モーター(誘導電動機)が回る基本的な仕組みと原理について教えてください。
誘導モーター(三相誘導電動機)が電気エネルギーを回転力に変換して回る基本的な仕組みは、「電磁誘導の法則」と「アラゴの円盤」の原理に基づいています。モーターの動かない外郭構造である固定子(ステーター)のコイルに三相交流電流を流すと、内部に目に見えない「回転磁界(円を描くようにぐるぐると回る磁束)」が発生します。この回転磁界の中にアルミニウムや銅で作られた回転子(ローター)を配置すると、磁界の変化によって回転子内部に「渦電流(誘導電流)」が発生します。そして、固定子の回転磁界と回転子に流れる誘導電流との間に「フレミングの左手の法則」による電磁力(磁界から受ける引っ張り力)が作用し、回転子が回転磁界を追いかけるようにしてスムーズに回り出します。このとき、回転磁界のスピード(同期速度)と回転子の実際のスピードの間には数%の速度差が生じ、これを「スリップ(滑り)」と呼びます。誘導モーターはこのシンプルな物理原理を利用しているため、構造が非常に堅牢で壊れにくく、世界中の工場やインフラの主動力として広く普及しています。