コラム - FAQ
モーターが「絶縁不良(漏電)」を起こした場合の修理手順と回復の手法について教えてください。
モーターが絶縁抵抗値1MΩ未満(または0.2MΩ以下の地絡)を起こす「絶縁不良」となった場合、原因に応じた適切な工程でオーバーホール・修理を行うことで、新品同様の絶縁性能へ完全回復させることが可能です。具体的な修理手順と回復手法は以下の通りです。①解体・精密点検:本体を全分解し、ステーターコイル、ローター、端子箱内部の状態および絶縁抵抗を測定します。②分解高圧洗浄:油分、カーボン粉塵、泥、異物が原因の場合は、専用の温水高圧洗浄および化学溶剤洗浄を用いて内部の不純物を徹底的に洗い流します。③加熱乾燥処理:水没や結露・湿気が原因で絶縁低下している場合は、温度管理された大型乾燥炉に投入し、80℃〜100℃で12〜24時間以上加熱して染み込んだ水分を完全に蒸発・乾燥させます。④絶縁ワニス真空含浸・焼付:乾燥後にメガーで絶縁値の回復を確認し、絶縁ワニス槽にて含浸処理(または真空圧力含浸)を施工し、乾燥炉で焼き付けてワニス被膜を再形成し、耐湿性と機械的強度を補強します。⑤消耗品交換・試運転:ベアリングやシール類を新品に交換して組み上げ、試運転にて絶縁抵抗・相間抵抗・振動・電流値を最終チェックして修理完了となります。経年劣化や焼損で絶縁回復しない場合は「コイル全面巻き直し(巻替え)」を実施します。