稼働中に発煙する直流モーター(DCモーター)を修理した事例
茨城県の金属加工会社のお客様よりお問い合わせがありました。
モーター稼働中に煙が発生するという事態が起きましたが、原因の究明が出来ないため今回ご連絡をいただいた形となりました。
原因を確認したところ、モーターの絶縁物の劣化とカーボンダストによる枠内部の汚れによりコイルの抵抗値が低下していることが判明しました。
摩耗したベアリングの交換、グリスの補給を実施したところ、修理後は問題なく運転が出来る状態になりました。
安定した稼働のために、お客様にはモーターの定期的な定期メンテナンスを実施するよう提案いたしました。
設備稼働中に発電機(DCモーター)から煙が出ていることを顧客作業員により確認しました。
稼働を停止し、顧客にて目視確認を行いましたが原因が追及できない状況でした。
協力業者(電気関係)に調査を依頼したところ、制御盤には異常がないとのことでした。
電動機側の調査の為、今回弊社に連絡・依頼という形になりました。
弊社にて発電機動力モーター(3相交流)と発電機モーター(DC)を引取り、調査を行いました。
調査の結果、発電機モーター(DC)の絶縁物の劣化とカーボンダストによる枠内部の汚れによりコイルの絶縁抵抗値の低下が認められました。
(枠内部の口出し線取り付け部絶縁物に焦げた跡あり)
発電機(DCモータ)分解前
電動機については都度、定期的に軸受け(ベアリング)のグリスアップは行っていましたがグリスアップ作業のスパンとグリス量などについての知識がないため、適当になってしまっていました。
また、廃グリスの排出方法が分からないため、(そもそも排出ができるとも思わなかった)モーター内部に廃グリスが溜まってしまっていることも分からなかったようです。
DCモーター・直流モーターに対する知識(電機子、主極、補極など)もないため、どのタイミングでメンテナンスを行えば良いかよくわからないとの事でした。
※今回の事象はモーター内部に溜まってしまった廃グリスによって、絶縁抵抗値が低下した可能性もあり
枠内部廃グリス溜まり
枠内部汚れ(カーオンダスト)が多量
枠口出し線取り付け部が焦げた跡
モーターの延命化のために絶縁低下に対し、修理・メンテナンスを行いました。
軸受けに異音は生じておりませんでしたが、グリスの劣化が認められたため、摩耗してしまったベアリングの交換、グリスの補給をしました。
絶縁低下に対しては、コイル・ワニスが劣化していたため、絶縁ワニスの再処理後、絶縁の回復をしました。
搬入作業後の試運転では問題なく運転でき、顧客の要望は満たされていると思われます。
また、グリスアップ作業の見直しを顧客にて実施していただきました。
枠整備後
回転試験後、完成
お客様より電動機のグリスアップの方法の指導を行ってほしいとの要望がありました。
再発防止のために、定期的なグリス補給作業と清掃(カーボンブラシ交換時など)を提案していきます。
また、他設備も同様の現象が発生する可能性を指摘させて頂き電動機の定期的な整備を推奨しました。
モーターメンテナンス.comでは、「DCモータ、直流モータの整備・メンテナンスのポイントは?」と題して、
直流モーター(DCモーター)のメンテナンスのポイントについて解説しております。
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